1円の紙飛行機が持つ力
ネパールの中では中くらいのレベルの私立学校にお邪魔した時のお話をさせてもらいます。
中くらいのレベルといっても偏差値や勉強の良し悪しではない、お金の問題なのだ。ネパールでは公立の学校には本当に貧しい家庭の子供が通っている、なので私立の学校に通っているからといってお金持ちとも限らない。
私立の環境が良い、ハイレベルクラスの子供が通う学校も日本に比べれば圧倒的に日本の学校の方が環境がいいわけだ。
そんな学校で四つ授業をもたせてもらった。教室は暗闇に近く、唯一ある扇風機は停電で止まっている。
そんな教室で子供たちは笑顔になれるはずもなく、熱中症気味でぐったりしている生徒さえいた。
僕は考えてもいなかったが、「今日は外で授業しまーす」自己紹介を早々に終え、気づいた時には口に出していた。
子供たちは暗い教室から出て勉強することは普段はなく、慣れない様子で校庭に出る。
僕は日本で100枚100円で買って持ってきた折り紙で紙飛行機を子供たちと一緒に作る事にした。
自分の手で作った紙飛行機を嬉しそうに友達達と競い合うように飛ばして遊んでいる彼らに、満面の笑顔が戻った。
1枚1円の紙飛行機も夢で溢れる子供たちなら何十倍何百倍という可能性を乗っけて飛ばす事ができるのかもしれない。